TOP 日日是自然 創刊号vol.1
自然とともに生きることの豊かさは、
昔から人々の暮らしの中に息づいてきました。
けれども忙しい日々の中で、その小さな幸せや感動を
見過ごしてしまいがちです。
人生にはどんな日にも意味があり、自然とともにある
暮らしにこそ幸せの種があります。
『日日是自然』は、四季折々の恵みや先人の知恵、
心と体を整える暮らしのヒントを通じて、
日常に自然を取り戻すきっかけになればと願っています。
小さな気づきが、大きなやすらぎにつながりますように。

花鳥風月

 『日日是自然』のの名付け親であり、自然を愛する編集長が、創刊号にあたり私に依頼したテーマは「花鳥風月」だった。「花鳥風月」と言われ、頭に浮かんだのは、ルイ・アームストロングの名曲「What aWonderful World」だった。

 いつの間にか人生も50年を過ぎ、これまでにインプットされてきたいろいろから、直感的に浮かび上がる景色がある。「花鳥風月」という美しい言葉から連想される季節ごとの自然を愛でる気持ち、「What aWonderful World」邦題「この素晴らしき世界」で歌われる、緑の木々、赤いバラ、青い空、白い雲、虹の色、赤ちゃんの泣き声といった日常の風景を慈しむ気持ち。それらが瞬時に溶け合い、言葉や想像だけで幸せな気持ちになった。

 日常の中にある自然や人間の営みにこそ、真の美しさやよろこび、感動が宿っている。

 当たり前にあることのありがたみや貴重さを一層感じるのは、自分が弱っている時だろう。私は元気に見えて、20代から40代は病気ととともにあった。無事に子ども二人を授かることはできたが、子宮の病気、先天性の首の嚢胞、膠原病の一種の成人スティル病という難病など、生き延びること、子どもを育てることを困難に感じる時もあった。

 しかしそのおかげで、当たり前の幸せを当たり前と思わずに、ありがたいと感謝できるようになった。目の前の風景の美しさや尊さを、一層深く感じ入ることができるようになった。心身の敏感さは時に痛みも伴うけれど、生き延びるために得た学びを共有し、社会のために活かすことができる。負け惜しみではなく、それは財産だと思えるし、おかげで今の私は健康だ。

 大きな幸せを追い求めなくても、自然と調和し、人とやさしくつながりながら生きることで、人生は十分に素晴らしい。私は自分という自然から、不自然を取り除くことで健康を取り戻せた。

 地球や毎日は奇跡に満ちている。生きられることに感謝し、まずは自分自身を自然に近づけることで、外側の自然も守れたら、と願う。